ワシントン条約において、建造途中だった日本の長門級2番艦「陸奥」の保有を巡っての交渉で、日本が強行にこれの保有を主張したかわりに戦艦2隻の建造枠を得たイギリスが新設計で建造した本来の意味での条約型戦艦がこの「ネルソン」級である。
排水量35,000t、主砲16インチの制限の中で計画された世界初の条約型戦艦は、「攻防走」すべて満足行くレベルにまとめるには初めから余裕が無く「走」を初めから捨ていた。元々戦艦の防御装甲は重量の関係で艦の全周に行なう事が出来ないため、バイタルパートと呼ばれる重要部分のみに厚く施される「集中防御方式」が取られるが、この「ネルソン」級はバイタルパートの全長を短くする為に主砲塔を艦の前部にピラミッド式に3基をまとめるという独特の配置を採用して世界の目を奪った。特に日本海軍は後にこの「ネルソン」級を参考に重巡「利根」級を建造して大成功を収めている。この他に艦橋を箱型にし、副砲を砲塔にまとめるなど、当時の英海軍としては画期的な設計を多く取り入れていた。しかし、その独特の配置は主砲の射界に制限を受けたり、射撃時の爆風対策に問題も多くあった。
日本の「長門」「陸奥」アメリカの「コロラド」「メリーランド」「ウエスト・バージニア」そしてイギリスの「ネルソン」「ロドニー」の7艦はワシントン条約によって戦艦の建造が押さえられた「ネイヴィル・ホリデー」(海軍休日)の間「BigSeven」(ビッグ7)と呼ばれて世界の海軍の象徴として君臨していた。
1925年共に起工し、高射砲、射撃指揮装置の増備等、軽微な改造を受けて第二次大戦を迎えた「ネルソン」「ロドニー」の両艦は、イギリス海軍唯一の16インチ(40.6cm)砲搭載艦として重用され、比較的低速ながらも重要輸送船団の護衛や、地中海・ヨーロッパでの上陸作戦支援砲撃に活躍した。1941年5月ビスマルク追撃戦においてロドニーはビスマルクにトドメを刺しと言う殊勲を上げているが、開戦前からの大規模修理の機会を逸し、転戦を重ねるうちに船体と機関が甚だしく老朽化して、1944年11月には事実上活動が停止した。
同型艦
ネルソン | Nelson | 1927年竣工 | |
ロドニー | Rodney | 1927年竣工 |
諸元 排水量 |
「ネルソン級」 基準33,313t |
NFスペック | クラス | レベル | 価格 | 耐久力 | 基準排水量 | 満載排水量 | 射撃管制装置 | 機関 | 偵察機 | 乗員数 |
ネルソン | BB | 72 | 1,501,500 | 21,000 | 8,850 | 40,000 | 110 | 75 | 0 | 10 |
NFスペック | 武装1 | 武装2 | 武装3 | 武装4 | 武装5 | 武装6 | 武装7 | 武装8 | 武装9 | 武装10 | 武装11 | 武装12 | 武装13 | 武装14 | 武装15 |
ネルソン | 457 | 457 | 457 | 33 | 33 | 33 | 33 | 86 | 86 | 86 | 86 | 86 | 86 | 33 | 33 |
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