ポートランド級(CA)('03.5.15)

前作「ノーザンプトン」級の改良型として1929年度計画で建造、ネームシップの「ポートランド」が33年、姉妹艦「インディアナポリス」が32年の竣工、NavyFieldでは艦番から「ポートランド」級としているが竣工年度から「インディアナポリス」級とも呼ばれる。

アメリカ重巡として初めて10,000tを超えた基準排水量を持った艦で、艦容は「ノーザンプトン」と酷似しているが全長はわずかに伸びて艦橋構造が大型化、加えて前後のマストの高さが低くなった為、全体のバランスはまとまった印象を受けるが、トップヘビーによる復原性の悪さが指摘されていた。

兵装は20.3センチ3連装砲塔を前部2基、後部1基の3基を搭載し、魚雷発射管は初めから装備されていない。以後長らくアメリカの重巡は、このレイアウトが基本形となる。対空兵装は竣工時から12.7センチ単装高角砲を8基装備していたが、終戦間際の修理時に行なった「ノーザンプトン」に準じた改装で後部マストを廃止して第二煙突の直前に小型マストが新設されレーダー装置、対空機銃の増加などが行なわれ、さらなるトップヘビーによる復元性の悪化が懸念された。

「ポートランド」は大戦を無事切り抜け1964年7月に退役、モスポールされたが、「インディアナポリス」はスプールアンス提督の旗艦として活躍、第五艦隊旗艦として「沖縄上陸作戦」に参加時の損傷をメインランド西海岸のメーアアイランド海軍工廠で修理改修されたのち、戦線復帰に際して原子爆弾の部品の一部をそれと知らされないままテニアン島へ輸送する任務を果たし、フィリピンへ帰還する途中の1945年7月30日、レイテ沖にて伊58潜水艦の雷撃を受けて沈没、大戦で損失した最後のアメリカ重巡となった。この「インディアナポリス」の沈没は悪化した復元性がその一因であったとも言われている。

終戦後、「インディアナポリス」を雷撃した伊58潜艦長 橋本以行(もちつら)中佐は、原子爆弾部品輸送船として狙い撃ちしたのではないかとメインランドに連行され取調べを受けた。もちろん伊58潜水艦乗組員は何も知らずに雷撃したのだった。

 

同型艦

ポートランド Portland CA−33 1933年竣工 1959年除籍
インディアナポリス Indianapolis CA−35 1932年竣工 1945年戦没

 

諸元

排水量
全長
最大幅
吃水
出力
速力
航続距離
兵装



水偵
乗員

「ポートランド級」

基準10,256t *
186.0m
20.2m
5.30m
107,000馬力
32.7ノット
15ノット時10,000海里
20.3センチ3連装砲 3基
12.7センチ単装高角砲8基
12.7mm機銃 8基

3機
1,150名

* 排水量に関しては資料により採用時期が異なる為、多少数値の差異があり、
  9,800t(CA−33)、9,950t(CA−35)とするものもあります。

NFスペック クラス レベル 価格 耐久力 基準排水量 満載排水量 射撃管制装置 機関 偵察機 乗員数
ポートランド CA2 44 630,000 10,900 2,920 12,490 70 53
NFスペック 武装1 武装2 武装3 武装4 武装5 武装6 武装7 武装8 武装9 武装10 武装11
ポートランド 174 174 27 27 27 27 27 27 27 27 174

 

 

アメリカ

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