第一次大戦中に建造されたイギリス戦艦の中でも最も成功したクラスであり、「ドレッドノート」以来のイギリス戦艦発達の一つの集大成的存在であった。1912年巡洋戦艦並の速力と戦艦の火力・防御力を兼ね備えた「高速戦艦」として計画され、缶(ボイラー)を増備するスペースを確保する為に連装砲塔は従来の5基から4基に減らされたが、主砲口径は当時新開発の38.1cm(15in)を搭載、初めて重油専缶を採用し速力は25ノットと従来の戦艦より4ノットも優速だった。
同級5隻は1915〜16年にかけて順次竣工し、ジュットランド海戦に参加した「バーラム」「マレーヤ」「ヴァリアント」「ウォースパイト」4隻は巡洋戦艦部隊第5戦艦戦隊(エヴァン・トマス少将指揮) を編成、ドイツ艦隊の猛射を受けながらもその耐久力と火力を発揮して、目覚しい活躍を見せた。
第一次大戦後の軍縮時代も同級はイギリス海軍の主力の座を占め、1920年代にバルジを追加し、煙突を一本にまとめ、高角砲を増備するなど近代化改装を受けた。1930年代後半にはより大規模な改装が施され、「ウォースパイト」は機関を更新し、艦橋は「ネルソン」級にならった箱型となり、煙突後方に格納庫を設け、艦中心線上に固定式カタパルトを配備、副砲の一部を撤去して対空兵装を強化するなど面目を一新した。「クイーン・エリザベス」と「ヴァリアント」の改修はさらに徹底したものとなり、舷側副砲を4.5in両用連装の半埋め込み式砲塔MkVを片舷5基当あて両舷10基とし、機関も「ウォースパイト」より強力なものが搭載された。しかし、大改装を受けたのはこの3隻のみで「バーラム」「マレーヤ」は航空装備の拡充や高角砲の追加を受けたにとどまった。
第二次大戦中、「クイーン・エリザベス」級はノルウェイ周辺や地中海、インド洋を転戦した。中でも歴戦の艦は「ウォースパイト」で、地中海では1940年7月のカラブリア海戦と1941年3月のマタバン沖海戦でイタリア艦隊と砲火を交え、シシリー島やサレルノ上陸作戦の火力支援を行ない、サレルノではドイツ空軍のFX1400誘導滑空爆弾1発を機関部に受け大破、さらに1944年6月のノルマンディー上陸作戦でも触雷し中破、破損した推進軸1本は終戦まで完全には修理されないままだった。「ヴァリアント」と「クイーン・エリザベス」は1941年12月にアレクサンドリアに停泊中、イタリア海軍の潜行工作員の仕掛けた機雷により大破着底、「ヴァリアント」は1944年8月トリンコマリーで入渠中、浮きドックが事故で急に沈んだため大きな損害を受け以後戦列に復帰する事は無かった。「バーラム」は1941年11月に地中海東部で行動中ドイツUボート「U−331」の魚雷3本を受け爆沈している。
同型艦
バーラム | Barham | 1915年竣工 | 1941年戦没 |
マレーヤ | Malaya | 1916年竣工 | |
クイーン・エリザベス | QueenElizabath | 1915年竣工 | |
ヴァリアント | Valiant | 1916年竣工 | |
ウォースパイト | Warspite | 1915年竣工 |
諸元
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「クイーン・エリザベス級」 (ヴァリアント改装後) 基準32,700t |
NFスペック | クラス | レベル | 価格 | 耐久力 | 基準排水量 | 満載排水量 | 射撃管制装置 | 機関 | 偵察機 | 乗員数 |
クイーン・エリザベス | BB | 65 | 1,312,500 | 17,400 | 12,099 | 36,000 | 98 | 136 | 1 | 10 |
NFスペック | 武装1 | 武装2 | 武装3 | 武装4 | 武装5 | 武装6 | 武装7 | 武装8 | 武装9 | 武装10 | 武装11 | 武装12 | 武装13 | 武装14 |
クイーン・エリザベス | 320 | 320 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 64 | 320 | 320 |
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