イギリス海軍は10,000t/20.3cm砲8門搭載の”Aクラス”巡洋艦、ケント〜ドーセットシャー級とともに、20.3cm連装砲3基6門/8,300tとひとまわり小型の”Bクラス”巡洋艦をあわせて建造することとした。小型化することで建造費と乗員数の節約を目論んだものだったが、実際には効果は薄かった。”Bクラス”一番艦として建造されたのがヨークである。”Aクラス”がフラッシュデッキ型(平甲板型)であったのに対し、ロング・フォクルス(長艦首楼型)とされ、機関も共通で3本煙突となるはずだったが、最前列の煙突が艦橋に近くなりすぎるため傾斜した2本にまとめられた。ほぼ同型艦と言って良いエクゼターは艦幅を若干広げられ、初めから直立した2本煙突で艦橋から十分に離して外見上の理由から必要以上に太い第1煙突をもつ。
ヨークは1930年代初頭に舷側外板が上甲板まで延長された以外にほとんど改装されず、戦時中もレーダーと若干の対空機銃の追加が行なわれただけだった。1941年5月、クレタ島撤退作戦に参加したヨークはイタリア魚雷艇の雷撃により大破、沈没を免れるためにスダ湾に擱座した。ヨークを救出するべく大きな努力が払われたが、成功目前でドイツ空軍の激しい爆撃に阻まれ、結局艦を救うことはできなかった。
エクゼターは、就役後固定式2基のカタパルトを旋回式1基に換装されたほか、戦時改装で高角砲が単装から連装に増強され、ポンポン砲を後部艦橋脇に搭載、20mm機関銃も追加さえれているが、外見上の大きな変化はない。アドミラルグラーフシュペー追撃戦参加して軽巡アキリーズ、エイジャクスと共にポケット戦艦シュペーと交戦して28cm砲弾多数を被弾し大破したエクゼターは、修理を終えて本国艦隊に配備された後東洋艦隊に派遣され、オランダ、アメリカ艦隊と共にスラバヤ沖海戦にて重巡「妙高」「足柄」「那智」「羽黒」を中心とした日本艦隊と交戦、撃沈された。
同型艦
ヨーク | York | 1930年竣工 | |
エクゼター | Exeter | 1931年竣工 | 1942年戦没 |
NF内ではヨーク級の改装型として扱われているが、実際には建造途中でキャンセルされたサリー級。
1928〜29年計画で「ヨーク」の改良型「エクゼター」をさらに改良する計画で1932年5月竣工予定でいったんは発注されたものの、自国の版図が広いイギリスとしては、巡洋艦は質より量を求められ、当面の敵国ドイツ海軍も弱小であることから、大型で建造機期間長いの重巡より軽巡を優先するために起工前の1930年1月にキャンセルされている。
外見的にはエクゼターの主砲を1基増やした型で、船体は20.3cm砲連装4基の「ノーフォーク」級よりやや小さめで機関出力も低く、その為元々他国艦より遅めだった速力がさらに低下し、30ノットと巡洋艦としては極めて低速なってしまっている。
その代わり、防御力の強化が行なわれており、25〜100mmだった弾薬庫装甲は75〜146mmと大幅に強化、舷側装甲も140mmと条約型重巡としては最高クラスとなっている。
サリー | 未完 |
ノーザンバーランド | 未完 |
諸元 排水量 |
「ヨーク級」(エゼクター級) 基準8,250t(8,390t) |
「サリー級」(未完) 基準10,000t |
NFスペック | クラス | レベル | 価格 | 耐久力 | 基準排水量 | 満載排水量 | 射撃管制装置 | 機関 | 偵察機 | 乗員数 |
ヨーク | CA | 37 | 540,500 | 10,800 | 3,333 | 10,500 | 80 | 133 | 1 | 9 |
サリー | CA | 44 | +81,100 | 13,200 | 75 | 100 | 1 | 9 |
NFスペック | 武装1 | 武装2 | 武装3 | 武装4 | 武装5 | 武装6 | 武装7 | 武装8 | 武装9 | 武装10 |
ヨーク | 189 | 189 | 42 | 42 | 42 | 42 | 30 | 30 | 189 | − |
サリー | 146 | 146 | 42 | 42 | 42 | 42 | 30 | 30 | 146 | 146 |
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