対日開戦と同時に真珠湾で太平洋艦隊主力戦艦の大半を失い、航空母艦を中心に据えての艦隊編成を余儀なくされたアメリカ海軍は、この時就役していた空母群の後継としてすでに「エセックス」級を計画していたが、満足行く数を実戦配備するにはいま少し時間が掛かるため、早急に艦隊配備することが出来る航空母艦の必要性が生じた。そこで一部建造に着手していた軽巡「クリーブランド」級の船体を利用して空母に設計を改め、1941年戦時計画の一環として改めて「インディペンデンス」級として9隻が発注された。緊急要請を受けて工事を推進した結果、発注後1年足らずの43年1月に就役したネームシップの「インディペンデンス」を始め9隻全艦が同年中に完成して、戦没、修理によりOn Stage数の減った正規空母(艦隊型空母)の穴をよく埋めた。
巡洋艦当時の強度甲板であった上甲板の上に格納庫甲板を張り、大きなエレベーター開口部が強度甲板にかからないようにレイアウト、格納庫側壁も原則閉鎖されていたため、アイランド直前に航空機搭載用のクレーンが装備されている。上構部は比較的大きく、多数の対空兵装搭載で悪化する復原性を回復する為に大きなバルジを装備した。主船体をそのまま流用したため機関配置は「クリーブランド」級と共通で、煙突は2本を一組として右舷の前後に設けるという外見上の大きな特色を持つ。アイランドは護衛空母並に局限して右舷に大きく張り出して設け、飛行甲板を極力大きく取るように工夫されていた。また、アイランド脇の前部エレベーターの左舷側にはエレベーター脇を通って機体が移動できるように飛行甲板を張り出している。一番艦の「インディペンデンス」以外は竣工時から40mm4連装機銃を主対空兵装として装備され、「インディペンデンス」も前後に一基当て装備された12.7cm単装高角砲をまもなく40mm4連装機銃に換装され、中口径砲持たない唯一の空母でもあった。
護衛空母と違い素性の良い巡洋艦をベースとしたため、速力も「エセックス」級に匹敵し、全艦が太平洋の一線で活躍、2番艦「プリンストン」が44年10月24日のレイテ沖海戦において日本海軍機の25番(250kg爆弾)を受け格納庫で爆発炎上、弾薬庫に誘爆して大破。自軍の魚雷により処分された他、残りの全艦は天寿を全うした。
同型艦
インディペンデンス | Independence | CVL−22 | 1943年竣工 | 1951年除籍 |
プリンストン | Princeton | CVL−23 | 1943年竣工 | 1944年戦没 |
ベロー・ウッド | Belleau Wood | CVL−24 | 1943年竣工 | 1953年フランスに譲渡 |
カウペンス | Cowpens | CVL−25 | 1943年竣工 | 1959年除籍 |
モントレイ | Montrey | CVL−26 | 1943年竣工 | 1970年除籍 |
ラングレー(U) | Langley | CVL−27 | 1943年竣工 | 1951年フランスに譲渡 |
カボット | Cabot | CVL−28 | 1943年竣工 | 1967年スペインに譲渡 |
バターン | Bataan | CVL−29 | 1943年竣工 | 1959年除籍 |
サン・シャシント | San Jacinto | CVL−30 | 1943年竣工 | 1970年除籍 |
諸元 排水量 |
「インディペンデンス級」 基準11,000t |
NFスペック | クラス | レベル | 価格 | 耐久力 | 基準排水量 | 満載排水量 | 射撃管制装置 | 機関 | 艦載機 | 乗員数 |
インディペンデンス | CV | 55 | 2,254,000 | 9,800 | 10,000 | 15,200 | 25 | 50 | 7(3,780) | 6 |
NFスペック | 武装 |
インディペンデンス | なし |
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