・正20センチ砲と正8インチ砲 (’03.1.30)

二種類造られた日本の20センチ砲。
1922年に締結されたワシントン軍縮条約によって、巡洋艦は個艦の基準排水量が1万t以下、主砲は8インチ以下と上限を決められたが、日本では条約以前から20センチ砲を搭載する巡洋艦の建造が予定されていた。後の「古鷹」「加古」である。
第一次大戦後、日本海軍が策定した「八八艦隊」計画では、14センチ砲7門を搭載した通称「5,500トン級巡洋艦」を多数建造する予定だったが、これではアメリカの新鋭巡洋艦「オマハ」級の15.2センチ砲12門に拮抗出来ても上回るのは難しかったため、新たに20センチ砲を搭載した前記2艦の建造が計画された。
その後上記ワシントン条約によって巡洋艦に規制がかけられ、各国ともいわゆる「条約型巡洋艦」を建造したが、日本海軍の建造した「古鷹」級以下、「古鷹」級の主砲を連装に換装した「青葉」級2隻、条約型設計の「妙高」級4隻とも、搭載された主砲は「古鷹」級で採用された「50口径三年式20センチ砲」と呼ばれる砲であった。

諸外国の正8インチ砲と比べてわずか3ミリほど口径が小さいが、この3ミリは大きな3ミリだった。
砲弾重量は正20センチ砲が110kgに対し正8インチ砲は125.9kg。重量にして15.9kg、威力にして14%もの開きがあった3ミリだった。

そのため、日本海軍では「高雄」級より正8インチ砲を採用し、新型砲は「50口径三年式U号20センチ砲」と呼ばれ、正20センチ砲は「50口径三年式T号20センチ砲」と改称された。後に正20センチ砲も、砲身内部を削って砲口径を20.3センチにしている。

50口径三年式20センチ砲E型砲塔諸元

砲 門 数 : 2門(連装)
口   径  : 20.3cm
砲 身 長 : 50口径
砲身重量  : 1門あたり19t(合計38t)
旋回部重量: 160t
装 甲 厚 : 25mmNVNC甲鈑
最大仰角  : 70度
最大俯角  : マイナス5度
俯角速度  : 6sec/1度        
旋回速度  : 4sce/1度
初   速  : 835m/sec
最大射程  : 28,900m
発射速度  : 3〜5発/min
砲弾重量  : 125.9kg
炸薬重量  : 3.1kg
装薬重量  : 35.5kg
NFスペック レベル 技能 容積 重量 価格 仰角 旋回 連射 口径 初速
50口径 20センチ 三年式E N型 47 重砲 120 474.3 6,500 70 54 5.60 860
50口径 20センチ 三年式E L型 48 重砲 112 521.7 6,500 70 49 6.16 946
50口径 20センチ 三年式E D型 49 重砲 128 426.9 6,500 70 59 5.23 774
砲弾ダメージ 標 準 軽榴弾 重榴弾 徹甲弾 対空弾 対空弾改
50口径 20センチ 三年式E N型 245 196 294      
50口径 20センチ 三年式E L型 245 196 294      
50口径 20センチ 三年式E D型 245 196 294      

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